80年前に製造されたというバヤンの修理を承りました。
海外オークションで購入したという事ですが、80年前の物としては
かなり外観が良いので修復を繰り返しているものと思われます。
ですが、音は雑音が混ざりますし調律もずれています。
右手のボタンですが、透明な物と黒っぽい物の二種類が使われています。
黒っぽい方は茶色に変色した物に黒い塗装で修復したらしく、
黒い塗装が剥がれ掛けてまだらになっています。
ボタン下のフェルトは薄く潰れていますし、ボタンのストロークが大きくなっており、
場所によってはどこかに干渉していて深く押すとカツンという音が出ます。
ベースボタンの方は全て透明な物で、下に敷いてある物で色分けしています。
やはりボタン下のフェルトはダメになっています。
ベースはかなり問題があり、場所によって動きがかなり重くなっていて、
このままでは演奏に支障があります。
中身を点検しました。
やはりリードバルブの皮は反っています。
さすがに80年前のオリジナルではなくて、割と新しそうですが、
皮自体が少し厚すぎる感じがあります。
不思議なことに皮の押えの樹脂フィルムがある場所と無い場所があります。
殆どが付いていません。
リードの木枠を固定している金具は現代のアコーディオンとはだいぶ違っています。
手作り感があって見た目も面白いのですが、調整が悪く、固定が甘くなっています。
リードの木枠に番号が書いてあります。
取り外した際に順番が分からなくならない為と思いますが、
少なくとも一つの木枠に3箇所、番号が書いてあり、何故か一致していません。
一体、どれが本物?
元々書いてあったものではなくて、メンテナンスの度に記入されたのでしょうけど..
幸い、リードに錆はありません。
古い楽器だけのことはあり、リードフレームはアルミニウムではありません。
セコメントをする