古いアコーディオンの内蔵マイクを除去して欲しいというご依頼を承りました。
グリルカバーの裏面には大きなマイクが3つ付いています。
その他、2つのボリュームと1つのロータリースイッチ、小さな回路基盤などあります。
ボリュームとロータリースイッチは除去するとカバーに穴が残るので今回は
ツマミと共に残すことになりました。
穴を塞ぐ加工もできますが費用が多く掛かります。
蛇腹内に伸縮可能な配線があります。
これも取り外します。
ベース側にマイクが1つ、スポンジに囲まれて取り付けられています。
勿論、これも外します。
取り外した部品です。
それなりに重さがあるので楽器が少し軽くなります。
使わない物を残しておいてもトラブルの原因になるので外す判断は正しいでしょう。
中にはこのようなマイクを使いたいと思って残す人や、わざわざマイク付きを
選んで楽器を購入する人もいるかも知れません。
ですが、それは悪い選択です。
取り外したマイクですが直径が45ミリ程度、厚さが6、7ミリ、そして軽いです。
これは間違いなく、クリスタルマイクという種類のマイクです。
今はほぼ絶滅していて、このような物が使われていたのは50年以上前です。
こういうマイクが付いているのは楽器の年代も大体分かります。
クリスタルマイクは元々、周波数帯域が狭いので楽器用としては不適です。
内部にあるロッシェル塩という圧電効果のある結晶が湿度に弱く、
経年で劣化していて、たとえ使えたとしても良い音は望めません。
このようなマイクがある楽器をオークションサイトなどで
マイク付きアコーディオンなどと標記して付加価値を高めるような事を
している事がありますが、使えたとしても「使えない物」なので
そういう中古楽器に飛びつかないようにしましょう。
恐らく知識がないだけで悪意は無いのだと思いますが..
また、既に内蔵されている楽器をお持ちの場合は除去をお勧めします。
内蔵マイクが必要という事であれば現代の技術でアコーディオン用として
設計された内蔵マイクがありますのでそういう物を利用すると良いです。
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