日本製アコーディオンの修理を開始しました。
ベース側本体からリードを外したところです。
音色切り替えのスイッチが動かなくなっていますが、
内部ではシャッターが半分以上閉じた状態で固定していました。
これではまともな音は出ません。
機構部分を手で動かそうとしてみましたが簡単には動きません。
この様な状態の楽器はスイッチを無理やり押すと必ず壊れます。
スイッチが動かない時は無理せずに修理に出しましょう。
ベースリードの横に製造年月日の判がありました。
不鮮明で2桁目が読みにくいですが、48.10.7 でしょうか?
昭和48年10月7日という事なので、48年前の楽器です。
48年も経過していれば革のリードバルブがダメになって当然でしょう。
リードの木枠の下になる部分を分解しました。
ここにはスイッチ切り替えでスライドする、はしご状部品があります。
分解してみるとこの通り、アルミニウムの腐食がかなり進行しています。
アルミニウムと空気中の水分、木材中の有機酸など原因です。
腐食しているアルミニウムの部品を全て取り出しました。
腐食している部分は白い反応物が析出していますので
削り取って平らに仕上げます。
本体の木の表面に付いた物も取り除いて平らににます。
アルミニウム表面を研磨して平に仕上げました。
腐食した部分は凹んでいますが凸になっていなければ問題なく作動します。
元通りに組み立ててスイッチの作動を確認し、
スライドする部分がきちんと全開、全閉になるように調整しました。
これは蛇腹と本体の合わせ目のパッキンシールですが
革製で劣化していますので新しい物と交換します。
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