昨年12月にお預かりしたコンサーティーナの調律を行いました。
調律の前に別の問題があるので修理を行いました。
ボタンの戻りが悪く、音が出たままになったり、音の切れが悪い症状です。
原因はボタン周りの汚れ、酸化などによるものと判断し、
分解清掃を行う事にしました。
ボタン上のパネルを外したところです。
ボタンの上の部分は酸化して艶がありませんが原因はこれだけではなさそうです。
ボタンが動く際に摩擦する部分は艶が出ていますが全てのボタンの周囲を
清掃します。
パネル側のボタンが通る穴です。
周囲に巻いてあるフェルトが黒く汚れているのでこちら側も清掃します。
ボタン周りの分解清掃を完了しました。
ボタンの動きが良くなり音の切れも改善しました。
右手側が終わったら左側も同じ事を行います。
ボタンの修理が完了し、調律前の発音に関わる部分の不具合を直して行きます。
当店では調律の費用の中にそういった修正、修理作業が含まれています。
何故なら発音に関わる修理やリード周りの問題を修理すると必ず調律が変わるので
そのような修理を行う時は調律が必須になるためです。
単に音程を合わせる調律を行うだけでは楽器として良い状態にはならないので
無意味です。
このコンサーティーナは専用リードなのでリードを簡単に外せます。
蛇腹の開く方と閉じる方で鳴るリードも独立しています。
アコーディオンリードでは蛇腹の開閉で鳴るリードは1本ずつ
合計2本で1対になっています。
発音の悪いリードでリードの調整をしてもあまり改善しない場合があります。
このリードもその一つですが原因はリードの先端部分の隙間が多いためです。
アコーディオンでも中国製や精度の低いリードメーカーの物では時々あります。
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