古くて小さな楽器の修理
2014-08-09


剥がれたバルブ材を取り外しました。
赤い部分は羊毛のフェルトで白い部分は天然の皮(革)です。
フェルトの上に付いている接着剤が劣化してボロボロになっています。
一つがこの状態という事は他の剥がれていない全ても同じことになっています。
つまり、いつ剥がれて音が出たままになってもおかしくないという事です。


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これは剥がれたバルブ材の裏面(皮の方)です。
空気が通る穴の形が段になって残っています。
バルブ材である皮やフェルトも劣化して交換が必要になる箇所です。
劣化して硬くなったバルブ材は空気を止める能力が落ちたり、
鍵盤を離した際の閉じる音が大きくなります。
これらを交換する作業はとても時間が掛かる難しい作業となります。
やはり、殆どの古い中古楽器では交換されずに流通しています。


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バルブ同士が接触している箇所もあります。
これではバルブの動きに問題が出ます。
この楽器はベースボタンが落ちてしまっていますので、
何らかの強い衝撃を受けたと思われますが、
そういう影響が内部にも出ています。


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バルブがずれて空気が通る穴が見えている箇所もあります。
この状態も空気漏れの原因のひとつです。


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ベースボタンが全て落ちてしまっていますので
ベースメカニックを取り出しました。
この楽器は少しの分解で全てのメカニックが取り外せるタイプでした。


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メカニックは簡単に取り出せましたが、ボタンが落ちた影響で
内部のメカニックやボタンに歪が出ていますので、
結局、全てバラバラに分解して調整しながら組み付ける作業が必要となります。


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ベースメカニックの一部に使われている木の部品に破壊箇所がありました。
古い楽器は劣化部分があり、修復が大変になりますが、
加えて衝撃を受けている物は更に多くの修復作業が必要となります。
この楽器は小さい物ですが、かなりの時間が必要になりそうです。



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