大変珍しい鍵盤ハーモニカの修理を承りました。
ピアニカと書いてありますが、ヤマハではありません。
東海楽器というメーカーの物ですが、そういえば以前に
Tokai と書いてあるアコーディオンの修理をした事がありました。
ピアニカはヤマハの商標と思っていましたが、
元になったのはこのメーカーのようです。
ある程度古い物のようですが、ケース、説明書まで残っていて、
楽器もとても綺麗です。
外観はシャープでアルミニウム外装を樹脂で挟んだ構造や、色あい、
殆ど淵なしで鍵盤だけのような楽器のデザインはイタリアで製造されていた
クラビエッタにそっくりです。
依頼者の方もクラビエッタが原型ではないか?という意見をもらっていたとのことです。
本体に貼ってあるステッカーです。
モデル名はPC−1ですが、名前の通り、市販のピアニカ1号という事でしょうか?
分解してみると、鍵盤のバルブが外れている箇所がある事が分かりました。
鍵盤を押さなくても音が出ているのはこれが原因です。
外れているバルブをとりはずしました。
かなり小さなバルブです。
バルブ側にはシール材が全くなく、ただの金属板です。
バルブが当たる方の面に柔らかいシール材が貼ってあります。
これは製造する時には楽な方法ですね。
バルブ材は樹脂ですが、驚いた事に何十年と経っているのに
柔軟性を保っていて劣化があまり進んでいません。
恐らく、軟質塩化ビニルと思います。
バルブを位置に戻してみました。
シール材に段差が付いているので正確に元の位置へ戻さないと
空気漏れが出る可能性があります。
取り敢えず、今は固定せずに漏れの確認だけします。
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