2020-04-29
最低でもプラス、マイナス1cent以内には収めたいところです。
グラフではプラス、マイナス 2centの範囲でラインが入れてありますが
この範囲に入っているのは半数程度です。1cent以内であればもっと少ないです。
これだけのズレがあると楽器として使うには厳しい状態と言えます。
蛇腹の開閉で同じ音程でも聴こえ方が変わってしまう音もあります。
調律を行う場合、何cent以内を目指して調整していると思いますか?
答えは0です。 幾つ以内に収めるという感覚はありません。
完璧に0を目指して調整します。
少なくとも私はそうしています。
これはピアノの調律をしているプロの方なら当たり前の事と思います。
人が気づく範囲かどうか?という事ではなくて、0にする事がプロの仕事です。
調律の作業は誤差0で行いますが実際には温度の変化や時間の経過で
多少の差が出てきます。
それでも最終的にはプラス、マイナス0.5cent程度にはなっていると思います。
上の測定では意図的にずらしてあるもう一つのリードについては
測定、表示をしていません。
話がややこしくなるので今回は基準の音のみについて実際の状態を
見ていただく事にしました。
この楽器はMMという2セットリードなのでLやHの結果はありません。
右手の音だけではなくてベースの方も測定してみました。
この楽器のベース側は、4セットリード(4列リード)という仕様です。
ドからシまでの12音階を1列としているリードが4列内蔵されています。
4つの列はオクターブが変えてあり、3オクターブ半の同音が同時に鳴っています。
4列あるのに何故3オクターブかと言うと、1列は一部始まりと終わりの
音程がダブっていて4オクターブ分にはなっていないためです。
左手ボタンのベースのボタンを押した時は4列全ての音が出るので、
ベースボタン1個押すとオクターブ違いの同音が4音重なって鳴っています。
コードボタンの方は高いオクターブの2列だけが鳴っていますので、
3重和音×2列の6音が鳴っています。
最初のグラフと同じで縦軸はピッチで横軸は音階です。
ベースの方も蛇腹の開閉で同じ音程でも別のリードが鳴っているので
グラフには2つのプロットがあります。
ベースの方は同音階で4つの音が出ていますので蛇腹の開閉を含めると
同音で8つのプロットがあります。
リード列の違いは4色で表され、蛇腹の開閉は最初と同じで◆■の形で区別しています。
グラフを見てみるとかなりの幅を持ってズレがある事が分かります。
ベースボタン1つ押すとプラス、マイナス5cent程度のズレを持った音が
同時に鳴る事になります。
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