ロシアのアコーディオン、バヤンの修理を行っています。
右手側に続いてベース側のリード周りの修理が完了しました。
一般的なアコーディオンよりベース側のリードが多いです。
ベースリードを真横から見た状態です。
左側に小さな木枠があり、右に大きな木枠があります。
左の方は12音、2列のリードが並んでいて、
これは和音のボタンのみで鳴ります。
右の大きな木枠には12音、4列のリードが並んでいます。
分離不能な木枠に1音で4対のリードがあり、
共通の一つの穴からの空気の出入りで鳴っています。
こちらのリードはベースのボタンだけで鳴ります。
一般的なアコーディオンでは12音のリード列が4か5あります。
そして、ベースボタンを押すと全ての列が鳴り、
和音のボタンを押すとそのうちの2か3の列が鳴ります。
つまり、和音のリードとベースのリードは共通で使っています。
このタイプのバヤンでは和音は独立しているので
余分なリードが必要なので非効率な訳ですが、
ベースメカニックの機構はその分、簡略化できます。
メンテナンス時に問題となるのが、4対のリードが1つの穴の
空気の出入りで鳴っていることです。
調律する為には音を一つにする必要があるので残りの3音を
出ないようにする必要があります。
アコーディオンの様に穴が独立していれば塞ぐだけで済みますが
穴を共用していると調律作業はとても大変になります。
これと同じ苦労はバンドネオンにもあります。
リードの木枠を留めているのはL字の金具です。
バンドネオンのリードプレートを留めている物と似ていますね。
リードの木枠ですが、木枠を留めるL字の金具が掛かる部分が
傷んでいるので調律の前にこの部分を修復します。
それが済めば後はひたすら調律です。
という訳で、調律が完了し、ボタンのフェルトも交換し
全ての作業が完了しました。
こうして横から見ると独特のフォルムです。
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