フランスのメーカーの木目仕上げの楽器の調律を承りました。
イタリアのCastagnariと良く似た製品を扱っていて、
大半はダイアトニック、一部クロマチック(鍵盤、ボタン)という
製品をリリースしています。
本体表面の仕上げも塗装やセルロイドではなく、
木目仕上げという点もCastagnariと似ています。
Castagnariよりも少し安い価格帯ですが価格の違いは
木材の違いにも現れています。
楽器を分割するとボディーの断面が見えますが、層状になっているので
合板である事が分かります。
同じ木目の楽器でも無垢材を用いた物は断面が層になっていません。
そういう楽器は価格も高くなります。
楽器としての音への影響などは検証していないので分かりません。
以前にCastagnariのボディー断面を紹介している記事です。
このメーカーの楽器は当店で取り扱いがあり以前に新品を販売しています。
また、今までに何件か修理、調律をしたことがあります。
その時の経験から元の状態があまり良くない楽器という認識があり、
覚悟していましたが、やはりという感じでした。
上の画像は右手のリードですがリードを木枠に固定するロウ留めが
きちんとできていない箇所があります。
何かの理由でリードを一旦外してその後、元の場所に戻し、
ロウを溶融して接着するのを忘れたという感じでしょうか?
リードに指紋跡があり、錆が出始めています。
これはハンドリングに問題があるということです。
リードは絶対に素手で触れてはいけません。
このリードもロウ留めに少し問題がありますが、一番の問題は
リードに貼ってある薄い革製の部品、リードバルブの厚さです。
中央の物は右側の物と比べて倍くらいの厚さがありますが
通常、こういう場合は使わずに捨てます。
ここまで厚いと発音に問題が出ますので交換します。
同じくリードバルブの問題ですが矢印の箇所は接着不十分で浮いています。
このような状態だと音に問題が出るので修正します。
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