ネットオークションで購入した楽器が届いたらベースボタンが落ちていた、
という事で修理を承りました。
ところが、届いた楽器のベースボタンは何も問題なく普通に使える状態でした。
恐らく輸送の衝撃でベースボタンが落ちて、当店に届くまでの輸送の衝撃で
ベースボタンが直ったのでしょう。
楽器を宅配で輸送する場合、姿勢がとても重要です。
折角送っていただいたので楽器の点検をしました。
楽器を弾いてみると右手の音が極端に弱いところが何箇所もあり、
調律も大きくずれている感じでした。
楽器はそんなに古くないのに..と思って中を見てみました。
右手側のリードですがリードバルブはそれなりに反りが出ていますが
綺麗な状態です。 (と、思った)
リードをよく見てみるとリード表面に白い綿のような物が付いています。
殆ど全てのリードにあります。
この白い物の正体はカビです。
金属にカビ?と思いますが、金属表面に付いた汚れなどに発生したものと思われます。
カビの為、リードバルブの開きが悪くなっていたり、リードの振動に問題が出ています。
蛇腹の内側にもカビが出ています。
アコーディオンの内部にカビがあると演奏時に胞子が飛散します。
中を点検する前に散々、鳴らしてテストしましたので胞子を吸い込んだかも知れません。
修理品をテストする時は先に中を見る事にした方が良さそうです。
このような楽器は健康被害が出る事もありますし、修理にはとても費用が掛かります。
オークションなどで現状渡しの場合、こんな事もあるでしょう。
これは稀な事ではなくて修理で来る楽器でも時々見ます。
この状態でも音は全て鳴るので、オークションサイトでは音出し確認済みとなります。
楽器は音が出るだけでは使える物とは限りません。
楽器表面にも細かい粉が多数付いていましたが、カビの胞子にしては大きい感じです。
これの原因は一緒に付属しているソフトケースの内側が劣化して出てきた粉でした。
これも吸い込みたくはありませんね。
コメントをする