中国製アコーディオンをご購入いただけるという事で、お渡し前の整備を行っています。
楽器は当店で輸入している新品の物です。
この楽器は大きな物ではありませんがボタン式のMMLなので
音域が広く、リードの木枠が5本も入っています。
右手だけで246のリードが入っています。
殆どのリードには薄い革製のリードバルブという短冊状の部品が貼られています。
上の画像で黄色い短冊状の物がリードバルブですが、
天然皮革なので不適な品質の物がある程度混ざっています。
色が違っている部分は不良と判断して交換したところです。
こちらも右手側のリードです。
リードバルブを交換した所は色が違っています。
高音の小さなリードにはリードバルブが付いていません。
小さなリードでは弱い音の発音が悪い部分が多いです。
調整の為には一旦リードを木枠から取り外す必要があります。
リードはロウで接着されていますが、オリジナルのロウは薄い白色に近い色です。
リードを取り外して調整して再接着した部分はロウの色が濃くなっています。
リードの発音が悪いのは高音部分以外にも点在しますので
点検して不良部分は全て調整して発音を改善させています。
実際に修理を実施した画像を載せているサイトは少ないですね。
単に内部の画像だけを載せてやっている感を出す演出は見抜けます。
それならいっそ、何もしないで安く売っていますの方が正直です。
それもどうかと思いますが..
リードは1音で2本使います。
2本は逆向きに付けられていて表裏1対で1音分となります。
リードは片方からの空気の流れで鳴るように調整されていますので、
空気の流れの向きが変わると鳴りません。
蛇腹の開閉で空気の向きが変わった時にも音が出るように表裏1対となっています。
なのでリードが付いている木枠の内側にも表から見えるのと同じように
リードバルブが貼ってあります。
見えていない内側部分も不良部品はありますので交換します。
上の画像の矢印の所は色が変わっているので交換した部分です。
このようにリード周辺の不良を修正した後に全体の調律を行う事で
楽器としてきちんと鳴るようになります。
何もしていなくても音は出ますが、弱い音が出にくい、強い音が出ない、雑音が混ざる、
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