50年程度以前に製造されたEXCELSIORの修理を承りました。アコーディオン仲間から頂いた物という事です。EXCELSIORは古くから日本に輸入代理店があるので、近年はこのような古い楽器の修理依頼が多いメーカーです。
使っていた物と思いますので修理と言っても大きな不具合はなく、音が出て演奏ができる状態です。ですが、きちんとした音は出ていませんし、音色切り替えスイッチの動作が悪かったり、鍵盤の操作に問題が出ています。特徴的なデザインのアコーディオンなのできちんと直して良い状態で使えると面白そうです。
右手側のリードです。革製のリードバルブに反りが出ています。恐らく最初から付いている物で、硬化しているので全数交換します。
リードバルブを剥がすとリードの錆が発見されました。幸い、錆が出ている箇所はとても多くありません。
リードを留めているロウに劣化がありヒビが出ています。古い楽器では何れこの事が問題になってきます。この楽器はまだ何とか補修で延命できそうです。古い楽器を購入する場合はそのまま長く使って行けない事と、その後の修理費が多く掛かる事を想定していなければなりません。
ベース側のリードですが、リードバルブの反りが盛大です。ベース側も全て交換が必要な状態です。
リードの錆があるのは右手側と同様です。
ロウ留めの劣化があるのも右手側と同様です。ロウが劣化した場合はリードを木枠から取り外し、古いロウを全て除去した後に新しいロウで木枠に取り付ける作業が必要になります。この場合、その後の全体調律は必須になります。製造から40年以降の楽器で必要が生じてきます。60年経っていれば交換が必須の場合が殆どです。
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