オークションで落札した楽器の点検と整備を承りました。
落札後、実際に使う前に点検をして必要があれば整備をしたいというご依頼です。
結論から言うとこの楽器はとても悪い状態で整備に至りませんでした。
先日もオークションで購入した楽器の事を書きましたが、
一定数、使えない物を落札する方がいるということなのでしょう。
こちらが落札された楽器です。
見た目はそんなに悪くありませんが40〜50年前の物でしょう。
この見た目でとても安くて、全部の音が出ますと書いてあったら
買う人もいるかも知れませんね。
実際、音は全部出ています。
楽器のケースの中に手製の使用説明書のようなものが付いており、
その中にオークションに書かれていた文面も入っていました。
内容を見ると、本当?という部分が幾つかあります。
その中で特に気になったのは黄色の枠で囲った部分です。
文面の後半には「素人ですので..」とありますが、素人はこんな事しないです。
まあ、「時間をかけて」行ったという作業の出来栄えを見てみましょう。
右手側のリードです。
反りや変形のあるリードバルブが目立ちます。
リードバルブはリードに貼ってある薄い革の部品ですが、先の文面の中にある
「革サブタ」のことです。
リードバルブが長くなる低音域では更に反りが酷くなっています。
ここまで酷いと発音に影響が出てきます。
こんな風に酷く変形している箇所もあります。
右側の物は酷い変形がすぐに分かりますが、左側の物も中央が凸に変形していて
このような変形は発音への悪影響が大きく出ます。
ベース側のリードですが、こちらは内側に巻いた変形が殆どのリードバルブにあります。
やはり外向きの反りよりも問題が大きな現象です。
これらは革の経年劣化によるもので、楽器の年代から考えて
全て交換が必要な時期に来ています。
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